親の終活に関わる方法(親目線を知っておく)

終活の考え方が変わってきた

終活と言っても昔とはだいぶん考え方が変わってきました。

特に最近ではお墓や供養についての考え方に大きな変化が見られます。

昔のように実家のお墓を引き継ぐわけではなく、最初から永代供養を考えたり、早くから墓じまいを考えるなど、お墓を持つかどうかについても年代だけではなく、個人でも考え方が分かれるようになっています。

また人間のお墓はなるべく簡素にしたいけれど、ペットの供養やお墓については手厚くしたいと考える人までいるのです。

確かにお墓や供養という分野に関しては、年代を問わず若い世代でも関心が出てきたと言えるかもしれません。

しかし、シニア世代にとっては、終活というとお墓や供養のことを指すというよりは別のことを意識する人が多いのです。

私たちが日頃使っている「終活」という言葉が、シニア世代と若い世代との間でギャップがあるように、シニアである親とその子の間では終活に対しての考え方に違いが多く見られます。

親と子の終活の捉え方の違い

ではシニア世代である親と子の間で終活についてどのように考え方が違っているのでしょうか?

例えば、40代世代が重視している財産についてはシニアの親世代の意識の中ではそれほど大きい比重を占めるものではありません。

なぜなら今までに培った財産については自分の生活を維持するためにあり、資産のある親以外はその先に待ち受ける相続のことや、その準備に関心があるわけではないからです。

また子として気になる介護のことも、子には面倒はかけたくないと思いながらも、親が介護に対して準備をきちんとしているわけではありません。

このように子であるあなたが大切と思うことに親がかならずしも高い関心をもっているわけではなく、将来面倒なことにならないように親の方で何かの準備が必要だと子が考えていることについて具体的に準備をしている親はまだ少ないのです。

やがてあなたが親の終活に向き合うことになった時、親と子での意識の違いが浮き彫りになり、あなたの気持ちが重くなったり、負担が重くなることもあるかもしれません。

しかし親が終活で何を大切にして、どこに意識を向けているかを知ることによって、あなたが親の終活に向き合うときにあなたの負担を軽くできる可能性があるのです。

親が終活で一番大切に考えること

では親が終活で一番大切にしていることは何でしょうか?

それは誰もが考える健康のこと。つまり終活といっても一番意識をしていることはいかに健康を維持するかということなのです。

介護のことを含めて子供に面倒をかけたくないと大半の親は考えます。配偶者や親族など介護についての経験がある親ならば、なおさら介護の負担を子にかけたくないという気持ちになります。

そうはいっても多くの親が介護が必要になった時にそれについて具体的な考えをもち、準備をしている訳ではありません。

社会的にも恵まれ十分な資産があり、老後の設計を早くから行っている親については介護設備が整った施設や住まいなどの情報を得ていることは多いですし、子になるべく頼らないように早い段階から準備をしている場合もあります。

しかし多くの親が具体的にどのような介護施設で暮らせばよいのか、あるいはそこで具体的に受ける介護についての情報を持っているわけではありません。

また介護の費用や介護が必要になった時の住まいについて、具体的に調べ検討し考えている親も多くはないのです。

実行に移すのに時間がかかるわけ

なぜ親の方で介護への検討や準備が進まないのかというと、それについて考えたくないという心理的なバリアがあること、そして介護を必要とするかはその時になってみないとわからないと消極的になってしまうからです。

また親が認知症になった場合、財産管理や生活面などで家族や子が困ったことになるのですが、そのようなことを想定して家族で話しをしたりそのために対策を考えるといったことにも心理的な抵抗があります。

なぜなら親にとって自分が認知症になるかもしれないという想像は受け入れたくないものですし、それに対して家族でどうしたら良いかの話をすることも嫌なのです。

また、財産のことも含めてどこに大切なものがしまってあるかなど親が子に前もって話しておく場合もそう多くはありません。

財産のことや大切なもののことは親子でも別という気持ちが働くからです。

親の終活に向き合う上で大切なこと

ですから親との間で考え方にズレがあるのを受けとめ、それを理解した上であなたが親の終活にどのように向き合うのかを考えて生きましょう。

親も人間である以上、自分の気持ちとは切り離して冷静な気持ちで終活に向き合うのには時間がかかります。

ですからそういった親の心理面を理解したうえで、親に腹をたてるのではなくどうすればお互いに一番良いのか、あなたの負担にならないような行動をしたり、考えるようにするのが良いと思います。

例えば、シニア層に人気のあるエンディング・ノートを活用するのも一つの方法です。

まずは親と話をする前に、親の方で自分の終活に向き合ってもらう時間を持ち、物事や考え方の整理をしてもらうのが一番良い方法だと思います。

エンディングノートを通して未来の姿について話をすることで、終活に対する理解も深まり、あなたと親との考え方も近づき、結果としてより良い準備ができるでしょう。