まずはコレ!災害時に役立つ罹災証明と関連する制度

先日新たに熊本で震度5以上の地震が発生しました。

今回は震源地の深さが9キロと10キロにも満たない至近距離で、もっと大きな地震であれば住民の方が罹災する可能性も大きかったと思います。

先週は能登で神社の鳥居が壊れる地震が起きましたが、今後も九州や北陸をはじめとしてほかの地域でも、似たような、あるいはより大きな地震が起こる可能性があるでしょう。

今年は五黄土星の寅年、紛争や戦争、災害、地震といった事象が起こりやすいと言われています。なかでも地震や気象災害に見舞われる確率がいつも以上に高いのです。

ですから、もし実際にこのような気象災害や地震に見舞われたときに、お金はもちろんのこと、それ以外に役に立つものが何か、知っておくことは非常に大切になります。

前回は、大雨、川の氾濫、台風などで家から非難しなくてはいけない時には、運転免許書などの本人確認書類が大切ですとお伝えしましたが、それの役立て方について、法律や制度も含めてお話しします。

本人確認書類が必要なわけ

その本人確認書類ですが、運転免許書や保険証、マイナンバーカードといったもの以外に後期高齢者医療保険証や介護保険証でも良いので、いざという時にはすぐに持ち出せるようにわかりやすい場所に保管しておきましょう。

あとで家に戻った後に持ち出そうと思っても、家が損壊していたり、棚が倒れて取り出せない場合もあるかもしれません。

そのようなことを考えると、とりあえず身分証の一つはすぐに持ち出せるようにした方がよいと思います。

このような本人確認書類は、災害にあった場合、つまり罹災したときに罹災証明書を申請するために必要となります。

この証明書は、公的な支援金や災害義援金などの給付を受けたり、税金を減免してもらったりするときに使います。

災害対策基本法の規定に基づいて、住宅の被害の程度を証明するためにこの証明書を発行するのです。

住宅被害の認定

申請は市区町村の役場で行い、その時にこの本人確認書類を提示します。

場合によっては家の被害状況を撮影した写真が必要になることもあります。

申請すると、市区町村の職員によって被害を認定する調査が行われます。

後日その結果に基づいた罹災証明書が発行されます。

この証明書では、被害の程度に応じて一番被害の大きな「全壊」(=損害が50%以上)から一番下の一部損壊(=損害が10%未満)といった区分けがされています。

それにより、金銭的な救済措置が行われるという流れです。

この罹災証明書があれば、災害救助法による「住宅の応急修理制度」を通じて、市区町村の方に修理をお願いすることになります。

支援内容としては、被災した住宅の屋根、台所、トイレ等の日常生活に必要な最小限の部分を応急的に修理するというものです。

費用は1世帯あたり60万円程度と上限があります。

住宅や生活への支援

では住宅の応急修理で済まない場合はどうすればよいのでしょうか?

その時には、被災者生活再建支援法により「被災者生活再建支援制度」において住宅や生活への支援金が支払われます。

例えば、住宅の被害が全壊や大規模な半壊といったように大きい場合、または半壊して補修を行わなければ住むことが困難な場合、災害による危険な状態が継続し家には住めず、長期的に避難をしなくてはいけない場合などです。

この時には基礎支援金のほかに、住宅の補修や建設、あるいは部屋を借りる場合の賃借の費用として加算支援金というのも支払われます。

もちろん程度によってその支給額には幅がありますが、最大で300万円となり、それでも補修や建設の費用が不足する場合は、被災者のための融資も利用できることがあります。

まとめ

他にも地震や台風、大雨などで被災した場合、災害義援金の給付が受けられることがあります。

このように様々な支援金や義援金、被災時に利用できる生活支援の制度がありますが、いざという時には支援があると知っているいるだけで心強くもなるでしょう。

一番大切なことは、いざという時には自治体や様々な周りの支援が利用できることで何とかなると気持ちを強くし、命を守る行動をとることです。

そして、できることならば、身分証のようなものをすぐにも持ち出せるように日ごろから準備をしておくことです。

さらには今のうちに避難経路を確認したり、家の中のものをかたづけて安全に避難できるような体制を整えておくことで、準備も整うことでしょう。

生活を再建するだけではなく、ビジネスを再建する場合でも、一昨年、昨年とコロナが猛威を振るったときのように、様々な支援が得られることでしょう。

繰り返しになりますが、罹災したのち生活でもビジネスでもリスタート(restart)ができるように、最低限何が必要なのかを確認しておくことは、今の時代最も必要なことだと思います。