もう悩まない、年金や円安を乗り越える4つのポイント

日本では、2025年の法改正をめざす年金制度の改革案について意見が殺到しています。

この改革案によれば、国民年金の支払い期間を5年間延長し、厚生年金の保険料で国民年金の不足を補うそうです。

これによって60歳以降支払うことのなかった保険料を総額100万円負担することになります。

(注:現在月額16,590円の保険料を5年間かけた場合の支払い総額(16,590円x12カ月x5年=995,400円)

(参考:国民年金保険料の変遷  国民年金保険料の変遷|日本年金機構 (nenkin.go.jp)

この案が出された背景にあるのは、物価やエネルギー価格の高騰、円安や高齢化などの問題です。

こういったことから、これから先の給付水準の低下が避けられないとして、年金の負担を増やすということです。

「延長を検討する背景の一つに、基礎年金の水準が今後、大きく低下する課題がある。19年に年金の将来の見通しを示す財政検証をした結果、厚生年金の水準は、現役世代の平均手取り収入に対するモデル世帯の年金額の割合(所得代替率)が約30年後に今より約2割低くなる一方、基礎年金では約3割減まで落ち込むことがわかった。」(朝日新聞デジタル10//26より引用)

年金の支払額が増えるのは誰にとっても負担になりますし、今のような円安がこれからも続くとなると誰にとっても厳しい経済状態になるでしょう。

ではこのような年金負担や円安の不安を乗り越えて、未来を明るくするためにはどうすればよいのでしょうか?

これには負担を軽減するテクニックという小手先のものではなく、柔軟な姿勢、発想の転換が必要になります。

次の4つのポイントが焦点となるでしょう。

複数の収入源

第一に複数の収入源をもつことの大切さです。

会社員、パート、アルバイトなどの形で行っている仕事のほかに、もう一つの収入源をもつことはこの先もっと必要になります。

大なり小なり起業をしようと考える若い人たちが増えているのも、そういった社会背景が根底にあります。

年齢を問わず、前からやりたかったこと、興味のあること、スキマ時間で収入に繋がるものを始めてみるのはお勧めです。

メルカリや物販といったものから、趣味がこうじたものでも良いですし、周囲の人を助けるとか、お友達の手伝いでも良いと思います。

まずは柔軟な視点で、お小遣い稼ぎのつもりで何かを始めてみると良いでしょう。

会社員で65歳の定年を迎えても、何らかの形で仕事をしている人は多くいますし、自営業者も70歳過ぎても働いている人はかなりの数います。

長く働くことを考えるのならば、定年に左右されることなく、雇用形態にこだわらず、自分のペースで働き収入を得られる方法を考えておくことは大切です。

仕事環境や家計の状況、体力なども考慮に入れて柔軟に対応していきましょう

また将来起業を計画している人、すでに起業に一歩踏み出して人も、他に収入源を持ちながらビジネスを始めることをお勧めします。これには次の章でも取り上げますが、2重の意味で大切なことになります。

厚生年金に加入する

第2のポイントは厚生年金に加入することです。

会社員やパート、アルバイトなどで雇用される場合、60歳で定年を迎えても多くの場合は65歳まで働くことが可能です。

今後、法改正が進み60歳以降も国民年金を払うとなれば、発想を変えて65歳までは厚生年金に加入できるようにしておくのが良いでしょう。

103万、130万の壁を気にするよりは、あえて厚生年金まで加入できるように働くことで、将来の年金額を増やすことの方が得策です。厚生年金に加入することで、掛金は会社負担になりますし、そのほかの点でもメリットが大きいでしょう。

厚生年金適用拡大

最近では厚生年金の適用が拡大しています。

この10月から従業員101人以上の会社で、2024年10月からは従業員51人以上の会社でも厚生年金が適用になります。

その他の条件も合わせて週20時間以上働くことで、厚生年金に加入することができるのです。

このように考えると、複数の仕事をもちながら、そのうちの一つで社会保険に加入することで収入の増加と老後資金を増やすことが可能です。

他に仕事をしながら起業をしている場合も、何かの形で社会保険に加入することが良いでしょう。

iDeCoやつみたてNISAで老後資金を増やす

第3のポイントは、確定拠出型年金制度やiDeCoやつみたてNISAなどを利用して年金額のプラスαを目指すことです。

勤め先の会社に企業型確定拠出型年金があればiDeCoと併用しても良いですし、なければ個人型確定拠出年金を利用しても良いでしょう。

おおまかな目安として40代以下の世代ならばiDeCoを、50代以上の世代ならばつみたてNISAの方がお勧めといえます。

生き方とそれに見合った家計

まだ途中過程にあると言えますが、ここ数年起きた出来事を背景に、人生に求めるもの、わたしたちのものの見方は大きく様変わりしています。

結婚や子育てのありかた、住まいや暮らし方、生き方も含めて何が自分にとって一番良いのかを考え、他人とは比較せず自分の生き方を選び取っていく時代へと移っていきます。

つまり生き方の選択でライフプランが変わり、家計もそれに伴って変わっていくというわけです。

今までのように多くの車や住宅ローンを背負い働くのが良いのか、中古や空き家をリフォームしたり、田舎暮らしをすることで別のお金の使い道を選ぶのかは、人それぞれになるでしょう。

今までのように幾らないと暮せないという発想から、ものの見方を変えて今あるものや手に入れられるものを工夫して使うことで、よりよく暮らすという考えにしていくことも大切になります。

まとめ

今の60代以上の世代では、公的年金がそのまま老後資金となりました。

しかしこれからの日本では「公的年金はもらうものではなく、つくるもの」という発想になっていきます。

つまり、年金とは自ら設計し作っていくものなのです。

老後資金を自ら設計し作っていくためには、従来通りではなくさらに先を見据えた発想や考え方が大切になるでしょう。

その時には自分の生き方に見合った形で、複数の収入をもつことや社会保険の加入も選択肢に入れることが良いでしょう。