個人事業主はインボイスに登録した方がいい?
インボイスにどう対応するか
インボイス制度が始まってもう半年が過ぎました。
まだインボイス制度がよく分かっていない事業主やインボイス制度は自分とは無関係と思っている経営者も多いと思います。
しかし、そろそろ考えた方がいいかな、登録した方がいいのかなと悩んでいる方もいるかもしれません。
結論から先に言うと、その事業主や経営者が行っているビジネスの内容や業界と取引先がどこかによってインボイス制度への対応が変わってきます。
インボイス制度に登録するかどうかは、次の3つの視点から判断するのが良いと思います。
業界とビジネスの内容
第一の視点が、ビジネスの内容です。
現在あなたが個人事業主で免税事業者の場合、そのビジネスが次の6つの業種、内容のどれかに当てはまる場合はインボイス登録を検討するのも良いでしょう。
①デザイナーやプログラマー等のIT分野
②音楽講師や英会話講師
③デリバリー、タクシードライバー、運送業
④声優やアニメなどのナレーション業
⑤スタイリスト、ネイルサロン、美容サロン等の経営者
⑥個人で小規模の飲食店を営んでいる場合
その根拠
なぜなら上記の①~⑥の業種の場合、お得意先や取引先が課税事業者であるケースが多いと思われるからです。
課税事業者というのは、別のところでも触れましたが消費税の納税義務がある事業者のことを言います。
つまりここで例として示した①~⑥の業種の事業者は、取引先が法人や会社であるケースが多いからです。
業種の①、③、④、⑥はもちろんのこと、②では会社の従業員を相手に英語のレッスンをする場合や⑤でメディア関係の取引先がある場合はお客様が会社や法人という判断になります。
もちろん上記の①~⑥の中でお客様はほとんど個人の方ですという場合には、この判断には該当しません。
お客様や取引先との関係性
上の項でも触れましたが、大切なのはお客様や取引先が課税事業者であるかどうかということです。
お客様が課税事業者である場合、免税事業者であるあなたからサービスを購入すると消費税の計算で不利が生じるからです。
インボイス制度の導入によって、課税事業者が免税事業者と取引した場合は消費税額の控除で80%しか認められません。
それでもあなたと取引をしてくれるお客様や取引先なのか、そうでないのかを見極めるのが、実はインボイス制度に登録した方がいいのかどうかの分かれ目と言えます。
その理由
なぜなら課税事業者としての取引先との間にどのような信頼関係があるのかが、この根底にあるからです。
あなたがインボイスに登録しないとして、お客様や取引先が80%の控除ができるから構わないよと単純に応じてくれるのか、あるいは少しこちらが値引きすれば受け入れてくれるのか、なにをやってもダメなのかということは、日頃のお付き合いや関係性、信頼から生じるのです。
会計上の理由
第3の視点は、会計作業をする時の難易度が上がることです。
残念ながら、インボイス制度に登録するイコール単純に消費税の計算をするというものではないのです。
消費税の計算に対しては、領収書などの証憑を基準要件に合っているかどうかで細かく確認する作業と、消費税をどの割合で入力するのかという細かな判断をする必要があります。
このような手間暇と少しの勉強が必要になりますから、その点もよく考えて決めるのが良いと思います。
まとめ
一度インボイスに登録すると、この先もずっとインボイス制度に応じた対応をすることになります。
ですから、とりあえず登録しようではなくて、自分の取引先やお客様との関係性や労力の問題といった点も含めて判断するのが良いと思います。
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