「いつか自分で仕事を始めてみたい。でも、いきなり起業するのは少し不安……」
そんなふうに考えている女性はいませんか?
50歳前後になるとお子さんの手が離れ子育ても終わりという思いから、これからの働き方や収入についてあらためて考える機会も増えてくるのではないでしょうか。
これまではパートで働いてきたけれど、自分の経験や得意なことを生かして仕事をしてみたい。自分のペースで働きながら収入を増やしていきたい、そう考えるのは自然なことです。
もしもそのような想いがあるのであれば、パートを続けながら副業として起業することも一つの選択肢です。
パート収入を得ながら個人事業を始めると、税金の計算上で税金面で優遇となる可能性があります。
これを理解するには、税金の計算において知っておきたい仕組みも理解すると良いでしょう。
今回は、パート勤務を続けながら起業した場合の、3つの税法上のポイントをご紹介します。
パート収入に対する所得控除
まず知っておきたいのが、パート収入に対する「給与所得控除」です。
パートで働いて給料を受け取ると、その収入がすべてそのまま所得になるわけではありません。
所得税の計算では、給与収入から一定額の「給与所得控除」を差し引いて、給与所得を計算します。つまり、実際に受け取った給与収入の全額が、そのまま税金の計算対象になるわけではないのです。
例えば、パートで年間150万円の給与収入があったとします。この場合、150万円がそのまま給与所得になるのではなく、給与所得控除を差し引いた金額が給与所得となります。
起業したからといっても、この給与所得控除がなくなるわけではありません。パート収入については、引き続き給与所得として計算をします。
副業でも「青色申告特別控除」を利用できる可能性がある
2つ目は、副業として始めた事業でも、条件を満たせば「青色申告特別控除」を利用できることです。
「青色申告」と聞くと、会社を経営している人や、本業として事業をしている人が利用する制度だと思うかもしれません。しかし、パートで働きながら個人事業を営んでいる方でも、要件を満たせば青色申告を利用できます。
青色申告の大きなメリットの一つが、青色申告特別控除です。控除額は、要件に応じて10万円、55万円、65万円のいずれかです。
例えば、一定の要件を満たして65万円の青色申告特別控除を受けられる場合、事業所得の計算上、最大65万円を差し引くことができます。
ただし、65万円の控除を受けるには、複式簿記による記帳や貸借対照表・損益計算書の作成、期限内の申告に加え、e-Taxによる申告など所定の要件を満たす必要があります。
また、青色申告をするには、原則として事前に青色申告承認申請書を提出する必要があります。
給与所得と事業所得を合わせて所得税の計算をする
3つ目は、パートで得た給与所得と、副業で得た事業所得を合わせて、所得税を計算できることです。
まず、パート収入から給与所得控除を差し引いて給与所得を計算します。
一方、副業については、売上から必要経費などを差し引いて事業所得を計算します。青色申告特別控除を適用できる場合は、その控除も考慮します。
最終的には、給与所得と事業所得などを合算し、控除分をひいて課税所得を計算します。そこから所得税が計算されます。
ここではパート収入と事業所得を合わせて計算する仕組みである、ということを覚えておくと良いでしょう。
パートを続けながら、新しい働き方をするために
以上のことをまとめると、パートで働きながら副業として起業する場合、税金の計算では次の3つのポイントがあります。
それが給与所得控除、青色申告特別控除、所得の合算です。
なにも起業といっても、すべての仕事をやめて独立する方法ばかりではありません。
今の仕事を続けながら少しずつ準備を進め、自分にできることから始める方法もあります。
副業を始める前に、基本的な税金の仕組みを知り、必要な準備をしておくことも、起業をする上ではプラスになるでしょう。