ひきこもりの大人がいる家庭の終活
今から3年前にある葬儀社を営む方とお会いする機会がありました。
その方は「お葬式のひなた」*で有名な株式会社ひまわりコーポレーションの代表取締役社長の増井康高氏です。
その際に増井社長に新たに百合ヶ丘にオープンした家族葬専門ホールのご案内をしていただきました。
そしてご案内いただいた後、昨今の葬儀事情、終活についての談義のあとでひきこもりの家族がいるご家庭のことに話が及びました。
ひきこもりの大人(親からみた子)と老親との生活
わたしの親族にも成人に達し30代になってから家にひきこもってしまった男性がいます。
その家はすでに親が高齢となっていて、ひきこもりの男性はもう10年以上仕事をしていません。
ですからその家は親の年金で生活を営んでいます。
ひきこもりになる事情はひとりひとり違っています。
親族もそうですが、職場でいじめを受けたり、過度の期待やプレッシャーから職場に足を運べなくなるケース、転職を試みようとしてもそれを阻止し、転職させないようにするケースなど、ひきこもりに至る理由は様々です。
そのようなひきこもりの大人を持つ家庭では、親にまだ稼ぎがあり、家計の面で深刻な状態には至っていないうちは積極的な対策をすることはないのです。
しかし親がリタイアし年金生活になってくると事情が変わります。
年金生活に突入し、やがて親が介護を受けたり、介護施設に入居する事態となれば、ひきこもりの大人が今後どのように社会生活を行っていくのかという問題に直面します。
そのときはじめて大人は何の準備や心構えもなしに、ひきこもりの状態から現実の社会と向き合わなくてはいけなくなるのです。
ひきこもり家庭のサポートをどこに求めるのか
そうなる前に終活に関わる仕事をしている人や団体で何かの形でそのような親子を手助けすることができないだろうか
親が介護が必要になる前に子の今後の生活のことや親が亡くなった時の葬儀、お墓のことを気軽に相談できるような、行政以外での相談窓口の必要性があるのではないだろうか
そのようなことで増井氏とも積極的に意見交換をしました。
メンタル面のサポートはもちろんなのですが、ひきこもりの大人がいるご家族にとっては、親がいなくなった時の子の暮らしをどう成り立たせるのか、年金や保険、信託などの点からそのご家族で受けられる保障の面を考えていく必要があります。
また葬儀や供養といった面から考えると、親ひとり子一人といったケースでは親が亡くなった時の葬儀のことも子の負担となります。
親がそうなる前に家族が話をする場所、支援が受けられるような場所があった方が良いと感じています。
このような問題に対して地域や民間の取組みについても勉強する機会をもちたいと考えています。
今後も終活関係の勉強会に積極的に参加しながら、他の終活関係のお仕事をしている方々とともにご家族のサポートに関わることができるようにしたいと思っています。
(注)現在は家族葬のひなたという名称です。
現在、会社の代表取締役は別の方になっています。
会社概要 – 家族葬のひなた【公式】 (sougi-himawari.tokyo)