金融所得課税強化で悩まなくて済む3つの方法
金融所得課税の見直し案
先日来年度の税制改正大綱の案について報道がありました。
まだ正式に決まったことではないのですが、来年度以降に金融所得の課税が見直される可能性があります。
金融所得とは、一般的に株や証券といった金融資産から生じる所得ですが、具体的には株から得られる配当や株を売ったときの利益となる譲渡益のことを言います。
現在は株から得られる配当金や株を売ったときの売買利益に、一律で20パーセントという税率がかけられ税金が徴収されています。
しかしこの税率は、多くの金融資産をもつ資産家やお金持ちにとって有利であるとして、税率の見直しを予定しています。
具体的にはこの税率を5パーセントから10パーセント程度とする規制強化を打ち出しています。
こうすることで資産を持つ人と持たない人の格差を縮めようという狙いなのです。
金融所得課税が強化された時の対応策は?
では実際に金融所得課税が強化され、税率が25パーセントや30パーセントというような見直しが実施された場合、どのように対応するのが良いでしょうか?
金融資産だけではなくそれ以外の方法で資産を増やす場合も考えると、次のような3つの方法があります。
一つはあなたがもつ資産運用の多くをiDeCoやつみたてNISAにしてしまうこと、もう一つはiDeCoやNISA以外の運用商品の選び方において、税率が上がっても尚多くの利益が獲得できるようなものに厳選すること、そして金融所得課税には影響されない他の資産運用を行うことです。
ここでは例として不動産投資や起業について考えていきます。
次の章でそれぞれについて説明します。
iDeCoやつみたてNISAのメリット
まず第一としてあなたのもつ資産の多くをiDeCoやつみたてNISAで運用した場合です。
この場合は、どちらの運用をしたとしても増えたお金には税金がかかりませんから、来年以降に金融所得課税が強化されたとしても影響はありません。
安心して資産運用ができます。
次に iDeCoやNISA以外の運用をした場合ですが、もし金融所得課税が強化されたとすると当然影響を受けますので、配当金や売却価格から税金を引いた際の受取分は減ることになります。
ここでは具体的な商品選びは別の機会にお話するとして大まかな傾向についてお話します。
まず今まで日本株よりも好調だったアメリカ株については、テーパリング等の影響をある程度受けると思いますので今までと同じように期待できるとは限りません。
そして日本でも感染者が出ましたが、新型コロナウイルスの変異種オミクロン株の流行が懸念されることから日本をはじめ世界中の株価に影響を及ぼす恐れがあります。
また物流の問題からインフレ懸念などマイナスの材料が多いために、運用が難しくなると予想されます。
不動産投資と起業への影響
そして3番目として不動産投資や起業といった方法もあると思います。
不動産投資については当然ながら金融所得課税が強化されたとしても直接的な影響を受けるわけではありません。
ですから理論上は有効な手段となります。
しかし、他の金融商品への投資に比べれば難易度は高く、数年前から首都圏を中心に物件価格が上昇の一途になっていますので、あくまで上級者向けの投資であることは間違いありません。
一方、起業については金融所得課税の強化についての影響を受けるなく、ビジネスで得た所得に対して控除があることから、良い方法の一つではあると思います。
控除額として青色申告特別控除が適用になれば、65万円までの控除が受けられますので、本業やパート、アルバイトをしながらでも所得を増やす方法としては十分期待できるものだと思います。
まとめ
ここでは、将来的に 金融所得課税の強化が行われた場合に取ることができる対応策として3つの方法を考えてみました。
それぞれを比較した場合、使いやすさや難易度などに違いがありますが、シンプルで使い勝手が良い方法を選ぶことが大切です。
節税を兼ねてiDeCoやつみたてNISAを既に始めているとすれば、それを継続しながら将来的に起業をすることを考えてみるのも良いと思います。
大切なことは収入の柱を複数持つように、資産を作る柱としても複数をもつことで、規制が強化されても影響を小さくすることなのです。